心不全も関連する高血圧と降圧治療中の飲酒の是非

高血圧は血圧が高い状態が維持されてしまっている疾患であり、その状態を長い間放置してしまうと循環器系や腎臓に大きな負担がかかります。血圧と心臓、腎臓の関連性は深く、心不全や腎不全を持つ患者が高血圧も合併しているということはよくあります。高血圧の治療においては心不全や腎不全を伴っている場合には使用する降圧剤の選択にも考慮が必要になります。しかし、多様な降圧剤が開発されてきたことに加えてガイドラインが設定されていることにより、その選択も比較的容易なものとなっています。降圧治療を行っていく目的は合併症の予防であると共に、心不全や腎不全などの疾患を既に持っている場合にはその悪化を防ぐことでもあります。基礎疾患がない場合にはすぐに降圧治療を始めずにまずは食事や運動による治療が始められますが、基礎疾患がある場合にはその悪化を懸念して速やかに降圧剤が使用されます。降圧剤を使用しているときには酒を飲むのは基本的には避けなければなりません。酒に含まれるアルコールが降圧剤の吸収を良くしたり、代謝に影響を与えたりすることがあるからであり、それによって血圧が下がりすぎてしまうということがしばしばあるからです。降圧剤の種類によっては酒を飲んでも問題はないものもありますが、生活習慣の改善による根本治療という考え方から、身体に多かれ少なかれ負担のかかる飲酒をやめるというのは賢い考え方となります。酒は心拍数などにも影響をあたえることから心臓への影響もあり、利尿作用があることから腎臓への影響も否めません。そういったリスクを少しでも回避することが高血圧の治療を早める可能性があり、飲酒をやめることによる寄与は大きい場合もあるのです。